イールドカーブ

はじめに

イールドカーブとは、各期間(長期・短期)の債券利回りをつなげた曲線で「利回り曲線」とも呼ばれます。

短期:3ヶ月などの短い期間で満期を迎えるもの

長期:10年などの長い期間で満期を迎えるもの

 

3つの種類

1、イールドカーブ(順イールド)

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・一般に短期に比べ長期債券の利回りが良く、イールドカーブは右上がりの曲線になります

長短金利の差が大きくなってイールドカーブの傾きが急になることを「スティープ化(スティーニング)」といいます。逆にイールドカーブの傾きが緩やかになることを「フラット化(フラットニング)」といいます。

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一般的な銀行は短期金利(預金等)で調達し、長期金利で貸出しや債券運用を行うウェイトが大きいことから、イールドカーブがスティープ化すると収益が増加すると言われています。

 

2、フラット・イールドカーブ(平らな状態)

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フラット・イールドカーブは景気拡大期から景気後退期への転換点に発生しやすくなっています。(フラット出現後、1年後の景気悪化の確率は25%)

・長短期金利差がほとんどない状態

  

3、逆イールドカーブ

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・長短期金利の逆転

・原因、景気先行が悪いと判断されると投資家はリスク回避のため安全資産と言われる長期債に資産を移します。その結果、長期債の価格上昇(金利が低下)で逆イールドカーブが生まれます。

・景気後退の先行指標と言われている 

・ITバブル、リーマンショック前に逆イールドカーブは発生していた(2000年と2006年)

 

投資戦略

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答え:右下がりになったら安全な債券に避難する

イールドカーブは1年先のことを教えてくれるので、景気悪化が予想される場合は、リスク資産(景気敏株株やジャンク債など)を避けて安全な資産にシフトすることが重要です。

 

まとめ

タイプ:先行指標

注目ポイント:期間が異なる債券の利回り格差の広がり(縮小)

意味すること:景気が上向き(下向き)になっている。短期債券の利回りが長期債券の利回りに比べて高ければ高いほど、不況の可能性が大きくなる

投資アクション:景気の側面に応じて調整。景気が冷え込みつつある場合は格付けの高い債券や生活必需品業界の株(ディフェンシブ銘柄)などを買いリスクの高い証券を売る

データの入手先:Yield Curve - Economic Data Series | FRED | St. Louis Fed