クレジット・スプレッド

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はじめに

クレジットスプレッドとは?

債券を発行する発行体の代表として国や企業があります。

国が発行する債券は国債、企業が発行する債券は社債と呼ばれます。

国と企業を比較すると、一般に信用力が高いのは国債です(最悪、最後はお金を刷ればいいので) なので、社債に比べ国債の方がデフォルトリスクが低いとされています。

皆さんに質問ですが、もし金利が同じ債券が2つあった場合、信用できる債券とあまり信用できない債券だったら、どちらの債券を資産として持ちますか?

もちろん、信用が高い債券だと思います。 

ここでもし、国債社債の利回りが同じであれば、安定的な利回りを求める投資家は、国債に投資します。

したがって、資金調達のために企業が社債を発行して投資家に買ってもらうためには、基本的に国債より高い金利を上乗せして設定しなければなりません。

こうして、社債国債の利回りには自然と利回り差が生まれ、上乗せされた分の利回り差をクレジットスプレッドと呼びます。

例えば、社債の利回りが6%、その国の国債利回りが3%であった場合

6%-3%=3%がクレジットスプレッドです

 

種類

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他にもクレジットスプレッドには様々な種類があります。

・最高レベルの債券Aaaと米10年物国債の利回りを比較したもの

・Baaと米10年物国債の利回りを比較したもの

・ジャンク債(ハイイールド債)と米10年物国債の利回りを比較したものなど

※債券の格付けは、格付け会社が借り手の信用度に応じて決定しています。

 

 

何が分かるのか?注目はスプレッドの差!

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クレジットスプレッドの差が、

小さくなり始めたとき→景気回復を示唆してます

大きくなり始めると→景気悪化を示唆してます

覚えて欲しいこと:クレジットスプレッドが広がるということは、リスクが高まっているという投資家たちの認識の表れなので、結果として資本の流動性が悪くなり経済に悪影響を与えます。

 

投資戦略

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答え:予想される景気の拡大・縮小に合わせて、最もふさわしい資産を選択する

ある研究では、クレジットスプレッドが3.5%以上縮まった場合、その四半期の経済成長は平均で5%成長しているという結果が出ています。さらに、3〜6ヶ月後には、年率換算で6%を超える経済成長が見込まれると言います。逆に3.5%以上の拡大した場合、1.4%の成長率低下が見込まれます。

 

まとめ

注目ポイント:クレジットスプレッドの縮小(拡大)

意味すること:次の四半期にかけて景気が拡大(縮小)する

投資アクション:株やコディティを買う(短期債券や金、キャッシュに逃げる)

データ入手先:Moody's Seasoned Baa Corporate Bond Minus Federal Funds Rate (BAAFFM) | FRED | St. Louis Fed