個人消費支出(PCE)

個人消費支出(PCE)とは、個人所得と個人消費について調査した経済指標の事です。財やサービスの価格も調べる。    

GDPの先行指標

・米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視することから、特に注目されている。

・同様の指標に消費者物価指数(CPI)がありますが、PCEデフレーターの方が調査対象が広いため、実際の物価動向を反映しているとされています。

個人消費支とは、耐久財(自動車・家電製品等)、非耐久財(食品・衣料等)、サービス支出(旅行・外食等)の3つから構成されます。

個人所得

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2021年5月の米国の個人所得は、4月の13.1%の減少に続き、年初に受け取った景気刺激策の支払いが薄れ始めたことから、市場予想の2.5%の減少と比較して、前月比で2%減少しました。政府の社会給付のうち、「その他」の社会給付は、2021年米国救済計画法から個人に支払われる経済効果の支払いが継続しているものの、4月よりも低い水準であったため、減少しました。失業保険は、パンデミック失業補償プログラムからの支払いが減少したことにより、減少しました。

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過去の個人所得の水準を見ると増減幅は、ほぼ安定している。今後は個人所得のブレ幅が一定に戻るのか注視したい。

個人消費

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米国の2021年5月の個人消費は、前月比0%と変わらず、市場予想の0.4%増を下回る横ばいとなりました。サービスに対する支出の増加は、商品に対する支出の減少でほぼ相殺されました。サービス分野では、レクリエーション・サービス、飲食・宿泊施設、住宅・光熱費など、広範囲にわたって増加しました。一方、財貨は、自動車および部品の減少が主な要因となり、減少しました。f:id:tabarblog:20210626081926p:plain

過去の個人消費の水準を見ると増減幅は、ほぼ安定している。

一般的に個人支出が多くなると収入も増え雇用も良好であることが多いと言われています。

 ※賃金は前月比0.8%上昇(1.0%上昇)

 

個人消費支出コア価格

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2021年5月、米国の個人消費支出コア価格は、変動の激しい食品やエネルギーコストを除いた場合、前年同月比で3.4%上昇し、4月の3.1%上昇に続き、市場予想と一致しました。これは1992年以来の高水準であり、FRBの目標である2%を大きく上回っています。しかし、FRB高官は、このような物価上昇は一過性のものであると繰り返し述べています。これは、財政刺激策、供給制約、商品価格の上昇によるものです。

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5年チャートを見るとPCE価格指数は上昇トレンドということがわかる。(つまり物価は毎年上がっている) 

 

今後の見通し

昨年春の軟調な物価がベース効果をもたらし、前年比の伸びを後押しした。ベース効果は5月にピークに達したとみられるものの、供給制約や人手不足で賃金が上昇していることから、物価の高止まりは当面解消されない見込みだ。

 

S&P500vsPCE(10年チャート)

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Dow vsPCE(10年チャート)

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Nasdaq vs PCE(10年チャート)

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