週次景気先行指数(WLI:Weekly Leading Indicator)

f:id:tabarblog:20201219205849p:plain

週次景気先行指数(WLI)とは、経済全体を広く8ヶ月先まで読む先行指標です。一般にWLIが上昇傾向なら景気が上向きになっていると考えます。

1980年代に景気循環調査研究所(ECRI)のエコノミスト集団が完成させました。(ECRIは景気循環を専門的に研究している米国の研究機関)

WLIの算出に用いられるのが、通過供給量、JoC-ECRI工業価格指数、住宅販売関連の指標、雇用関連指標、株価、債券など多岐にわたります。

特徴は、7〜8ヶ月先と未来を読むこと、各指標どれも一度発表されたら修正されることがなうことです。

f:id:tabarblog:20201213201313p:plain

投資戦略

ECRIの研究者たちは、景気悪化と回復を常に的確に予測してきました。なぜ、的確に予測ができたのか?それは、厳格なルールに従っているからです。

ECRIは「3つのP」というアプローチで指数の動きを解釈します。

顕著で(Pronounced)

持続的で(Persistent)

広範囲にわたっている(Pervasive)

例えば、1987年株式市場の暴落に合わせてWLIの値も大きく下がりました。しかし、これは広範囲(Pervasive)の動きではありませんでした。株価以外の要素は、特に不況を示すような動きをしていなかったからです。

ECRIの研究者は「不況に向かっているとは言えない」と断言し、的中させました。

重要ポイント:WLIの値が「3つのP」を満たすような動きをしていたら、景気の悪化が7〜8ヶ月先にやってくると判断できることです。

f:id:tabarblog:20210205162102p:plain

f:id:tabarblog:20210205162122p:plain

まとめ

注目ポイント:WLIの上昇(下降)傾向

意味すること:景気が上向き(下向き)になっている

投資アクション:WLIが下がっていれば、リスクの高い資産を売り、債券やディフェンスシブ株などの安全な資産に移行する。WLIが上がっていればリスクの高い資産を買う。