ISM製造業景況指数

正式名:米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)

アンケート対象:製造業約350社の仕入れ担当役員

特徴:景気転換の先行指標

分かること:この指数が50%を超えれば景気拡大、下回ると景気後退を示しています

発表:翌月第1営業日

内訳:景気指数(PMI)、仕入れ価格、生産、新規受注、受注残、入荷遅延、在庫、顧客在庫、雇用、輸出、輸入

 

ISM製造業景況指数25年チャート

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ISM製造業景況指数 25年チャート

・過去を見るとPMIが60付近にくると指数は下落している→今後は下落なのか?

発表前後の株価

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ダウ

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SP500

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ナスダック

 

投資戦略:新規受注と雇用指数に注目する

・新規受注指数を見れば、この先の経済活動がどうなるかを予測することができる。50を超えていれば先行きは明るい。

・雇用指数を見れば、製造業の労働市場がどうなっているのかを知ることができる。50を超えていれば製造業の雇用は順調に伸びていると言える。

ポイント:PMI、新規受注数(New Orders)、雇用指数(Employment)の3つが同時に上がっていたら、製造業全体の景気がよくなっていると考えられる。こうなったら投資アクションとして、ベータ値の高い資産、特に製造業関連の株を買う。

 

6月ISM製造業景況指数

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6月ISM製造業景況指数

7月1日発表

景気指数(PMI):60.6(61.2)
仕入れ価格:92.1(88.0 )
生産:60.8(58.5)
新規受注:66.0(67.0)
受注残:64.5(70.6)
入荷遅延:75.1(78.8)
在庫:51.1(50.8)
顧客在庫:30.8(28.0)
雇用:49.9(50.9)
輸出:56.2(55.4)
輸入:61.0(54.0)

雇用が50を下回る→まだ製造業の先行きは明るいと考えられない?

【次回】

PMI、新規受注数、雇用指数の3指数が上昇した時の株価はどうだったのか?

回答:雇用以外の指数は下落。株価も下落(VIS)

例えば、過去を見るとPMIが60付近にくると指数は下落している(60あたりが上値になっている)相関係数が高い銘柄を売るなど。

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9月1日更新

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7月ISM製造業景況指数

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ISM製造業景況指数 25年チャート 7月は60を下抜け

資本財セクターは製造業が入っているため、ISM製造業指数は最重要となる。

9月1日発表8月ISM製造業指数は7月と比べ低下予測(景気減速を示唆)

現在、ISM製造業指数と資本財セクターETF相関係数を見ると約80%

ということは、ISM製造業指数が下がれば資本財銘柄も下がりやすいのか?

今購入を検討しているDAL(デルタ航空)とISM製造業指数の相関係数を確認すると80%だった。下図

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押し目買いタイミング)

①ISM製造業指数がコンセンサス予想より大幅に下振れ

②雇用の回復がコンセンサス予想より大きい(雇用回復示唆→雇用統計で良い数字が出るかもしれない→9月FOMCでテーパリング時期の発表が濃厚かも→一時的に売りとなるかも)

間違えた

CCがVISになっている。DALに変更して再度確認すると、相関係数は35だった。下図

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ISMとDALの相関係数

上で説明した押し目買いタイミングのロジックは変わらないが、DALへの影響は限定的かもしれない。

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ADP雇用統計

ADP雇用統計は、

発表者:米国の大手給与計算アウトソーシング会社であるADP社

内容:約50万社の顧客を対象に毎月雇用者数の増減の変化を推計した数値

発表時期:毎月の米雇用統計の非農業部門雇用者数が発表される2日前の水曜

特徴:米雇用統計の先行指標とされる

内訳:レジャー・ホスピタリティ業、教育・健康サービス業、製造業、建設業

 

ADP雇用統計チャート

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ADP雇用統計25年チャート

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ADP雇用統計の発表(時系列)

●6月30日に発表した6月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が69万2000人増と、市場予想の60万人増を上回った。労働力不足が続いているものの、経済が急速に再開される中で、企業は生産やサービスの強化に尽力している

 

●6月3日に発表し5月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が97万8000人増と、2020年6月以来の大幅な伸びだった。市場予想の65万人増を上回った。経済活動が急速に再開する中で好調な需要が雇用を促している。ただ労働力や原材料の不足が依然として労働市場の回復を抑制している。

 

●5月5日に発表した4月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が74万2000人増加し、7カ月ぶりの大幅増となった。政府支援策や新型コロナウイルスワクチン接種の広がりにより、第2・四半期序盤の米経済が一段と勢いを増していることを示唆した。

 

●3月31日に発表した3月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が51万7000人増加し、前月の17万6000人から伸びが大幅に拡大した。新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、レジャー・接客業中心に幅広い業種で採用の動きが加速した。ロイターのエコノミスト予想は55万人の増加だった。

発表前後の株価はどうだったか?

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ダウ平均

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ナスダック(QQQ)


 

・発表後の数日間は上昇傾向                             

・2日後の雇用統計の日のローソク足、3月と4月は陽線、5月(6月発表)が陰線を作った

 

【少しやってみた】

・投資戦略を考えるため、ADP雇用統計発表日の株価(主要3指数)と個別銘柄の相関係数を調べてみた(探し方の1つの方法として、ダウ平均と消費関連・景気敏感株の相関率を調べる。なぜダウ?→景気敏感株の寄与度が他指数と比べて高い)

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ダウ平均vsボーイング(BA)

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ダウ平均vs3M

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ダウ平均vs機械のハネウェル・インターナショナル(HON)

 

 

 

米ケース・シラー住宅価格

影響:住宅価格は個人消費に大きな影響を与えるため、景気指標としても重視されている。

とは:アメリカ国内の住宅価格動向を示す最も一般的な指数

特徴:「リピート・セールス」という再販価格を基に算出(詳しくはwiki)

対象:全米の10大都市圏、20大都市圏

取引:先物とオプション

注目:住宅価格指数の上昇(減少)

意味:景気が上向き(下向き)

投資アクション:住宅建築業者の株かETFを買う(売る)

発表時期:調査月の翌々月下旬(4月調査なら6月下旬に発表)

10大都市はボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンD.C.

20大都市圏では、さらにアトランタ、シャーロット、クリーブランド、ダラス、デトロイトミネアポリス、フェニックス、ポートランド、シアトル、タンパが加わる。

 

米ケース・シラー住宅価格・チャート

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米ケース・シラー住宅価格25年チャート

現在の住宅価格は、過去と比べても高いと言える。リーマンショック前の水準を超えている。

2021年4月は14.9%上昇 15年ぶり高い伸び

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米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが29日に発表した4月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)は前年比14.9%上昇し、2005年12月以来15年超ぶりの大幅な伸びとなった。

前月比では1.6%上昇。市場予想は1.7%上昇だった。

全国的な住宅価格の高騰は供給が限られていることが主な要因。最も大きく上昇したのはフェニックス、サンディエゴ、シアトルだった。

株価への影響は?

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XHB-住宅業者関連のETF

発表時間(日本時間):10:00PM

マーケットの取引開始が22:30(日本時間)なので、指標の発表後に株価は上昇したということが分かる。すでに住宅価格の上昇は株価に織り込み済みだった。

 

5月発表時の株価推移

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XHB-住宅関連ETF 5月25日

3月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)は前年比13.3%上昇し、2013年12月以来の大幅な伸びとなった。予想の12.3%も上回った。

4月発表時の株価推移

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XHB-住宅関連ETF 4月27日

S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた2月の米住宅価格指数は急上昇し、15年ぶりの高い伸びとなった。(低い住宅ローン金利と物件の在庫不足を背景)

(まとめ)

米ケース・シラー住宅価格が上昇するとXHBは、寄りで上昇しやすい傾向にあることが分かった

 

米連邦住宅金融局(FHFA)がこの日に発表した4月の住宅価格指数は前年比15.7%上昇。3月の14.0%に続く大幅な上昇となった。

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米連邦住宅金融局25年チャート

ただエコミストは、住宅価格上昇の背景には需給のミスマッチがあるとし、住宅バブルが発生しつつあるとの見方は示していない。キャピタル・エコノミクスの不動産エコノミスト、サム・ホール氏は「住宅価格見通しは上向いているが、自己増殖型のバブルの形成も、価格崩壊も予想していない」とし、住宅ローン金利の上昇などで価格の伸びは年末までに前年比7%程度に落ち着くとの見通しを示した。

個人消費支出(PCE)

個人消費支出(PCE)とは、個人所得と個人消費について調査した経済指標の事です。財やサービスの価格も調べる。    

GDPの先行指標

・米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視することから、特に注目されている。

・同様の指標に消費者物価指数(CPI)がありますが、PCEデフレーターの方が調査対象が広いため、実際の物価動向を反映しているとされています。

個人消費支とは、耐久財(自動車・家電製品等)、非耐久財(食品・衣料等)、サービス支出(旅行・外食等)の3つから構成されます。

個人所得

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2021年5月の米国の個人所得は、4月の13.1%の減少に続き、年初に受け取った景気刺激策の支払いが薄れ始めたことから、市場予想の2.5%の減少と比較して、前月比で2%減少しました。政府の社会給付のうち、「その他」の社会給付は、2021年米国救済計画法から個人に支払われる経済効果の支払いが継続しているものの、4月よりも低い水準であったため、減少しました。失業保険は、パンデミック失業補償プログラムからの支払いが減少したことにより、減少しました。

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過去の個人所得の水準を見ると増減幅は、ほぼ安定している。今後は個人所得のブレ幅が一定に戻るのか注視したい。

個人消費

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米国の2021年5月の個人消費は、前月比0%と変わらず、市場予想の0.4%増を下回る横ばいとなりました。サービスに対する支出の増加は、商品に対する支出の減少でほぼ相殺されました。サービス分野では、レクリエーション・サービス、飲食・宿泊施設、住宅・光熱費など、広範囲にわたって増加しました。一方、財貨は、自動車および部品の減少が主な要因となり、減少しました。f:id:tabarblog:20210626081926p:plain

過去の個人消費の水準を見ると増減幅は、ほぼ安定している。

一般的に個人支出が多くなると収入も増え雇用も良好であることが多いと言われています。

 ※賃金は前月比0.8%上昇(1.0%上昇)

 

個人消費支出コア価格

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2021年5月、米国の個人消費支出コア価格は、変動の激しい食品やエネルギーコストを除いた場合、前年同月比で3.4%上昇し、4月の3.1%上昇に続き、市場予想と一致しました。これは1992年以来の高水準であり、FRBの目標である2%を大きく上回っています。しかし、FRB高官は、このような物価上昇は一過性のものであると繰り返し述べています。これは、財政刺激策、供給制約、商品価格の上昇によるものです。

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5年チャートを見るとPCE価格指数は上昇トレンドということがわかる。(つまり物価は毎年上がっている) 

 

今後の見通し

昨年春の軟調な物価がベース効果をもたらし、前年比の伸びを後押しした。ベース効果は5月にピークに達したとみられるものの、供給制約や人手不足で賃金が上昇していることから、物価の高止まりは当面解消されない見込みだ。

 

S&P500vsPCE(10年チャート)

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Dow vsPCE(10年チャート)

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Nasdaq vs PCE(10年チャート)

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米国主要3指数 1ヶ月のパフォーマンスは好調(3月16〜4月16日)

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出所:Bloomberg

主要3指数の1ヶ月のパフォーマンスは好調(3月16〜4月16日)

 

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出所: Investagrams

ダウ平均は3月25日の32000付近を底値に再び上昇を開始した。

この日のニュースを調べると、バイデン政権がワクチン摂取目標を当初の2倍へ変更したことが好感され、相場が明るくなった。特にエネルギーやヘルス関連銘柄の好調が目立ちました。

50日移動平均線も上を向いているので、中期的にも上昇トレンドは継続しそうです。

 

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出所: Investagrams

S&P500も3月25日を起点に再び上昇開始した。

50日移動平均線からの乖離が気になりますが、引き続き力強いトレンドが続きそうです。

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出所: Investagrams

主要3指数の1ヶ月の動きを見ると3月25日を震源地として再び上昇をスタートさせている。

この頃の市場の注目は米10年債利回りの動向が一服し、次の相場動因になる世界的材料を待っている状態だった。以上。

株式市場(4月12ー16日) 全セクターの1週間の株価を見て気になったこと

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①FINANCEのセクターは少し上昇した→予想を上回る好決算の影響

②ウェイトが高いJPM、BAC は下落した→JPMはすでに株価が大きく上昇しているため、決算で発表した過去最高益でさえ株価を押し上げるのに不十分だった。(好決算は既に株価に織り込み済みだった) BACが発表した決算も市場予想を上回ったが国債利回りの低下が銀行株の重しとなった。

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③FINANCE-Mortgage Financeの下落率が高い。

(下落要因)コロナの影響で失業や収入源で家賃の延滞が広がり、家賃滞納額は900億ドル(約9兆8000億円)に達する見込み。バイデン政権は6月まで立ち退きや財産の差し押さえの猶予策を講じているが、家賃滞納に耐えかねた家主が借り手に立ち退きを迫り、家主の苦境も課題だ。猶予措置については既に延長を重ねており、21年6月末で執行する可能性は高い。そうなれば米銀の不良債権比率は急上昇すると市場は警戒している。このことがマーケットに織り込まれ株価が下落したと思う。

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出所:Finviz


モーゲージ

とは:住宅など不動産担保ローンのこと

種類:Residential mortgage(住宅ローン)、Commercial mortgage(商業不動産貸付)

業界名:住宅金融市場(Mortgage finance)

メリット(証券後):国債より高い利回り、流動性が高い、信用力が高い

デメリット(証券後):期限前償還

 

モーゲージバンク

とは:住宅ローン専門の金融機関(銀行等預金金融機関以外で住宅ローンを専門に取り扱う金融機関を「モーゲージバンク」と言います。)

代表的な企業:ロケット・カンパニーズ(RKT)?

 

 

金(Gold)

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金価格は、市場のムードを知るための優れた指標

経済が好調で世の中に大きな混乱がないようなときは、金価格は下がり気味になります。

しかし、不安が高まる時期には、10年間で5倍になるなど金は魅力的な投資対象となります。なぜでしょうか?それは、昔から安全資産として信用され続けてきたからです。

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投資戦略

不測の事態に備えて金を保有する!

金価格を指標として活用するためのポイントは、投資需要を見ることです。

「投資需要が年間2000万オンスを超えたら金価格が上昇してくる」と言われてます。

価格上昇で儲けるのも1つの手段ですが、ひどい不況などの事態に備えて資産を守る「保険」として持っておくのも有効な手段と言えます。

金の価格は他の資産とは無関係な動きをします。そのため金をポートフォリオに組み込むことによってポートフォリオ全体が一方向に動いてしまうのを避けることができます。

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まとめ

注目ポイント:金の価格および在庫の変化

意味すること:金の需要が高まっている場合、投資家たちはインフレや金融危機、国際情勢の悪化を危惧している

投資アクション:インフレ、戦争その他のききが予測される場合、なるべく早めに金を買う

データ入手先:ロンドンの金市場を管理するロンドン地金市場協会(LBMA)